2017年3月23日木曜日

知覚された道徳への脅威が引き出す汚染関連強迫行為の傾向

Threats to moral self-perceptions trigger obsessive compulsive contamination-related behavioral tendencies
Doron, G., Sar-El, D., & Mikulincer, M. (2012).  Journal of behavior therapy and experimental psychiatry, 43(3), 884-890.

汚染恐怖に関連した強迫は日常生活を著しく害する。本研究では知覚された道徳に対する脅威が、汚染関連強迫行為の傾向を生起させるかを検討した。
3つの実験により、道徳関連プライミングが汚染関連行動に及ぼす影響を検討した。
自己の道徳における不適格は、強迫行為の傾向上昇を導いた。この影響は、自己に関連したネガティブな情報に限定された。この知見は、事前の自尊心やストレス、不安、抑うつおよび気分の変動性とは関連しなかった。
本研究は非臨床サンプルに対して行われた点で限界がある。
道徳的な過敏性は、汚染と関連した恐れと因果関係があるだろう。この過敏性に対する治療は、強迫性障害の治療にも有用かもしれない。

この論文の研究者は数年前から愛着との関連も検討しながら、このテーマで研究をしている。実験手続きでは、被験者自身の道徳的態度が一般母集団と比較して低い(カバーストーリーだが)ことを正規分布でプライミングしている。
非常に興味深いが、いかにも実験社会心理学的研究でもある。

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