2019年9月21日土曜日

拡張された自己:対象を自分のものとすることによる内側前頭前野の自発的活動

Extended self: spontaneous activation of medial prefrontal cortex by objects that are 'mine'.
Kim, K., & Johnson, M. K. (2013). Extended self: spontaneous activation of medial prefrontal cortex by objects that are ‘mine’. Social cognitive and affective neuroscience9(7), 1006-1012.

閣僚された自己の概念は、自分ではないものを自分のものとして取り入れることと関連している。拡張された自己を支持する神経基盤はfMRIによって人々が事物を自分のものと帰属する想像をしている際に内側前頭前野の活動上昇が見られることから示されている。本研究では、自己と関連づけられた事物が、顕在的には自己関連性判断を求められていない場合でも内側前頭前野の活動を伴うかを検討することである。fMRIスキャンにおいて被験者は以前に自己に帰属した事物とそうでない事物を刺激として混在させたオッドボール課題に従事した。自身のものであると想像できた事物に対しては、そうでない事物よりも内側前頭前野と後部帯状回皮質の活動上昇が見られた。さらに、所有官の操作の後に行われた事物に対する選好の変化は、内側前頭前野の活動によって予測された。全体的にこれらの知見は自己に関連づけられた外的刺激を自分のものとして取り入れるという拡張された自己の概念の神経活動による証左を与えた。

感想:大学院生の時によく読んでいた論文の著者が書いた論文。大学院以来、自己関連処理からは距離を置いていたので、このような研究があることを知らなかった。この研究もcue-approach trainingと同様に腹側の内側前頭前野が活動している。腹内側前頭前野が事象に対する価値のエンコーディングに関与することは知られているが、逆に腹内側前頭前野を駆動することで事象に価値を加えることができると考えられる。この研究テーマはcue-approach trainingとともにフォローしていきたい。
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