2012年3月27日火曜日

内的脅威の予期における脳活動

Brain activation during anticipation of interoceptive threat 2012 Neuroimage

本研究では、身体感覚に対する恐怖高群と低群において過呼吸によって喚起される身体症状の脅威の予期における神経ネットワークを検討した。15人の身体症状に対する恐怖高群と14人の低群は、高群においてより強く不快と評価される過呼吸課題の生起を予期させるキューを最初に学習した。不快な症状の予期の間、恐怖高群は身体症状の高まりと瞬目反応を示した。この学習セッションの後に、被験者はfMRIの中で学習セッションで示された過呼吸のキューと正常喚起のキューを確認したが、実際に過呼吸はMRIの中では行わなかった。過呼吸の予期において両群において島前部と眼窩前皮質と背側前帯状回の活動上昇が示された。群間の相違は2つ示された。最初に、高群の被験者は全体的にこれらの領域の強い賦活が見られ、文脈を通して高い不安が見られた。次に、低群の被験者は過呼吸のキューに対して強い反応が生じず持続しなかったが、高群においてはキューの終了後にも反応が持続していた。背側前帯状回の活動は身体症状に対する恐怖と相関していた。これらのデータは内的脅威の予期は外的脅威の予期と同じネットワークを賦活させることを示した。よってこのパラダイムはパニック障害の患者の不安や治療効果を研究するための革新的な方法である。

不快刺激をfMRI中に提示しなくてもしっかり学習させればCSのみで反応が出るようだ。

2012年3月19日月曜日

内感受性恐怖条件付けとパニック障害:CSとUSの予期の役割

Interoceptive fear conditioning and panic disorder: The role of conditioned stimulus-unconditioned stimulus predictability. 2012 Behavior Therapy 内感受性条件付けはパニック障害の行動理論適切名の中核である。だが、人間においてない感受性条件付けを評価しようとした研究は一つだけである(Acheson et al 2007)。その研究では空気中20%濃度のCO2吸入のにおいて短時間のものをCS、長時間の者をUSとしてCS単独、CS-US、CS−US独立の3条件における恐怖学習を検討した。結果からは恐怖条件付けはCS-USにおいてみられ、恐怖反応と消去抵抗はCS-US独立の条件においてみられた。著者らはこのような効果がCSとUSの弁別が困難であったためと推論した。本研究の目的は、(a)前回の研究を方法論的に改善して結果を再現することと、(b)恐怖学習におけるCS-USの弁別の困難さの活性と不活性を検討することであった。104名の健常者は無作為に4つの条件に割り振られた。(a)CSのみ(b)CS-US対提示(c)CS-US独立提示(d)CS-US独立提示においてCS弁別手がかりを提示する条件であった。電気生理と自己報告を条件反応の指標とした。予測と一致して対提示と独立提示双方においてCS単独での恐怖反応が見られた。さらに、CS弁別手がかりによって恐怖反応が減少した。全体的にはパニック障害の現代における学習理論と結果が一致しており、内感受性条件付けの役割とパニック障害の予測不可能性を明らかにした。 ようはパニック障害においては弱い身体感覚の上昇がCSとなってパニック発作や恐怖反応が生じるということだが、これが身体感覚曝露の根拠にもなっている。しかし、ほとんど内感受性条件付けの基礎研究自体はほとんどないというのは軽い驚きである。

2012年3月17日土曜日

精神疾患における認知障害;特徴、原因そして治療の改善のための探求

Cognitive disfunction in psychiatric disorders: characteristics, causes and the quest for improved therapy 2012 Nature Reviews Drug Discovery 精神疾患の研究は抑うつ、不安、幻覚と言った情動症状に対して伝統的に関心が向けられてきた。しかし、恒久的な認知障害の制御困難は社会と職業の統合を含む生活の質を危機にさらしている。その結果、認知機能と関連する細胞や脳の回路を特徴づける精神疾患の性質と認知障害の原因を定義し、より効果的な治療法を定義するために集中的な努力が行われている。成果を上げるためには、動物モデルのように厳格な検証と同様に現実世界での患者の認知機能を測定することに依存している。本稿では、この問題を批判的に議論し、精神疾患によって苦しむ患者の認知を改善するためのチャレンジと機会を強調したい。 精神疾患の認知機能に関する網羅的な評論である。非常に勉強になる。

2012年3月9日金曜日

twitter開始

日常に変化を求めてtwitterのアカウントを作ってみる。心理的引きこもりの自分には合わないメディアではあるが、退屈しのぎに始めようと思った。使い勝手が全く分からないまま始めてしまったが、そのうち使い方をきちんと調べてみよう。一日のうち2〜3個はつぶやけることを目標にする。数少ない訪問者の方は良ければフォローをお願いします。twitter.com/#!/freeroll_

2012年3月6日火曜日

腹内側前頭前野−皮質下システムと情動の意味の生成

Ventromedial prefrontal-subcortical systems and the generation of affective meaning. 2012 Trends in Cognitive Sciences vmPFCは情動感覚や社会的手がかり、長期記憶、自己意識等の情報を統合する領域群の相互関係を構成している。vmPFCは見かけ上本質的に異なる過程に関わっているように見えるが、これらの過程は共通のテーマに集約することが出来る。vmPFCは情動反応そのものに必須ではないが、情動反応が特定の結果についての概念的情報によって形成される時に重要である。vmPFCは生体の情動行動を調整する脳幹とリンクするハブとして機能し、情動の意味の生成と記述される、多様な実験パラダイムにおけるvmPFCの共通した役割を説明することが出来る。 abstractの英語を訳すのが困難だった。vmPFCが情動反応そのものではなく、情動を評価しセルフモニタリングするために機能するという点には同意できる。しかし、結局vmPFCが情報の概念付けに具体的にどのような役割を果たすかはよくわからない説明だった。英語力が無いからかもしれないが。
ツイート @freeroll_をフォロー