2014年4月19日土曜日

疼痛の認識における心理的要因の影響

Impact of Psychological Factors in the Experience of Pain 2011 Physical Therapy

この論文では、基礎的な心理的過程がどのように身体治療の理論的モデルに取り入れられるかに焦点を当てて疼痛の持続と障害の発展における心理的要因についてレビューする。
そのために疼痛の経験と関連する重要な心理的要因を要約し、科学的知見において疼痛の有力なモデルの中にそれらがどのように統合されるかの外観を提示する。疼痛は持続的な問題と治療に影響する明確な感情的かつ行動的な結果である。しかし、心理適用要因は身体治療において日常的には査定されておらず、治療の促進とは十分に適用されていない。科学的なエビデンスのレビューに基づいて臨床実践に有用であろう10個の原則を提示する。心理学的家庭は疼痛の体験や治療予後に影響するので、心理的原則を身体治療に統合することは予後の向上に潜在的な価値を持つと思われる。

疼痛のCBTにおける御大であるLintonのレビューは非常に整理されていた。今年は疼痛の方ももう少し本気にならなければ。

2014年4月11日金曜日

未治療のうつ病におけるネガティブ情動の再評価の最中の脳活動と主観的体験の調整の成功のエビデンス

Evidence of successful modulation of brain activation and subjective experience during reappraisal of negative emotion in unmedicated depression. 2013 Psychiatry Research: Neuroimaging

未治療のうつ病患者12名と対照健常者24名においてネガティブ感情の認知的制御を検証するためにfMRIを用いた。研究参加者はネガティブ画像や中性画像の自己関連づけを増加(real condition)させたり低減(photo condition)させたりしている際にfMRIを行った。受動的な観察(look condition)はベースラインとして用いた。再評価はうつ病に強く影響されなかった。両群共に写真の記憶自体は良く保持されていた。グループ間では、real conditionにおいてdLPFC、前帯状回、頭頂葉、尾状核、扁桃体の活動増加が見られた。うつ病の重症度はネガティヴに対する再評価においてDLPFC、扁桃体、小脳の活動と負の相関が見られた。群間差の欠如はうつ病患者は明確な教示であればネガティブ画像による脳活動と主観的体験を調整できることを示唆する。しかし、うつ病の重症度と再評価における脳活動の負の関係性はより重症のうつ病患者と多くのサンプルであれば群間差を見いだせるであろうことを示している。

思ったより面白くなかった。

2014年4月4日金曜日

再評価とマインドフルネス:主観的効果と認知的コストの比較

Reappraisal and mindfulness: A comparison of subjective effects and cognitive costs 2013 Behaviour research and therapy 51 899-904

本研究はマインドフルネスと再評価の悲しみ気分に対する効果を比較し、さらにマインドフルネス特性と再評価の習慣的使用が悲しみ気分に対するこれらの方略の効果を媒介するかを検討した。また、この研究ではこれらの方略の認知資源の比較を行った。129名の被験者は自伝的記憶の想起による悲しみ気分誘導前にマインドフルネスか再評価か何も行わないかに無作為に割り付けられた。結果からマインドフルネスと再評価は悲しみ気分に対して同程度の効果が見られた。再評価はマインドフルネスと比較して、事後のストループテストに置いて干渉が増加しており、認知的資源の剥奪が見られた。マインドフルネス特性は、再評価の習慣的使用と異なり、どの群に置いても悲しみの低減と関連していた。この研究から,マインドフルネスと再評価は同程度に有効だが認知的コストが異なることが示唆された。

すっかり忘れていた。
この研究ではストループテストだが、もう少し認知的コストの個別要素について調べても面白いかもしれない。
マインドフルネスは精神的に疲れないということだな。ただ、やった後はともかくとしてやりやすさとしては再評価とマインドフルネスのどちらがやりやすいのだろう
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