2012年12月27日木曜日

"Mind the Trap":マインドフルネス訓練は認知的硬直性を低減する

"Mind the Trap": Maindfulness Practice Reduces Cognitive Rigidity 2012 PLoS one

2つの実験によってマインドフルネスと認知的硬直性の関連を、Einstellung water jar taskを用いて検討した。被験者は3つのつぼを用いて特定の量の水を得るように求められた。初期の問題は同一複雑な構えによって解くことができるが、後期の問題(クリティカルあるいは罠の問題)はさらにシンプルな構えを加えることによって解くことができる。硬直性のスコアは複雑な構えの耐久力を通して計算された。実験1ではマインドフルネスを受けた被験者はまだ瞑想訓練を受けていない被験者よりも硬直性のスコアが低減した。実験2ではWaiting-listとのRCTを行い、そこでは同様の結果が得られた、我々はマインドフルネス瞑想は体験によって盲目になる傾向を通して形成された認知的効力性を低減すると結論付けた。この結果は過去の体験によって新規で適応的な方法を見落としてしまう傾向を減らすというマインドフルネスの利得という観点から議論できる。

柔軟性は次の実験でやろうと思っている。が、なかなか課題に落とし込むのは難しい。fMRIを前提にするとなおさら。しかし、マインドフルネスは何でも効果があるように思うが、その背景にあるメカニズムはシンプルな気がする。回りくどい過程を飛ばして情動やそれを制御する認知によりダイレクトに影響しているのだろう。

2012年12月18日火曜日

不安障害とうつ病における脳機能と脳構造に対する心理療法と薬物療法の効果の違い

Difference between effects of psychological versus pharmacological treatments on functional and morphological brain alterations in anxiety disorders and major depressive disorder: A systematic review 2012 Neuroscience and Biobehavioral Reviews
最も一般的な精神障害である不安障害と気分障害は内側前頭前野や海馬、扁桃体といった恐怖回路を含む機能的、構造的な脳の変化と関連している。これらの患者は扁桃体の過敏性と前頭葉の機能減少を示す。しかし、これらの脳の異常が治療によって低減するのかはいまだに明らかでない。このレビューは、これらの疾患における機能的、構造的な脳の指標に対する心理療法と薬物療法の効果を比較する。63の研究において、30が心理療法の効果を検討しており、33が薬物療法の効果を検討している。方法論的な違いはあるが、結果からは恐怖回路の機能的な正常化が示唆された。薬物療法は辺縁系の過活動を特に低減させるボトムアップ効果があり、心理療法は前頭皮質の特に前帯状回の活動を高めるトップダウン効果が示された。加えて、薬物療法のみ構造的な変化が伴っていた。これらの知見は、これらの治療法が異なる経路で脳の異常を正常化することを示唆している。

ざっくりしたレビューっだが、そのうちメタ分析が行われてデータから物が言えるようになることを期待している。自分でやっても良いが。
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