2011年5月24日火曜日

脅威の予期における主観的反応、自律反応、神経反応は脅威の強度と神経質傾向の機能によって変化する

Experiential, autonomic, and neural responses during threat anticipation vary as a
function of threat intensity and neuroticism Neuroimage 2010
予期に伴う情動反応はチャレンジに対して準備している主体にとって重要な役割を果たす。このような現象は行動的反応、自律反応、神経反応のシステムの変化がトリガーとなって生じる。本研究では、電気ショックによる予期不安のレベル(安全、中、大)を変化させることによって生じる行動生理的インパクトを検討した。これにより予期不安反応を幅広く検討することが可能になる。2つの研究により、95人と51人の女性の参加者を集め、電気ショックの予期課題とそれに伴う不安の評価とSCRを測定し(研究1)、fMRI測定を行った(研究2)。結果からは、不安の主観的評価とSCRにステップワイズな変化が示された。いくつかの脳領域は安全なトライアルに比べて電気ショックの予期に伴う顕著な活動がみられた。それには視床下部、PAG、尾状核、中心前回、視床、島、腹側前頭皮質、背側MPFC、ACCが含まれている。これらの領域は予期の程度に応じて線形的な活動の増加がみられた。これらの反応は神経質傾向によって調整されており、神経質傾向が高いと課題全体を通して不安が高い傾向があり、さらに中から大に至る試行における脳活動が減少していた。これらの知見から、神経質傾向は予期不安に対する感受性に影響しており、不安障害のリスクとの関連に対して新たな視点を示唆した。

神経質傾向はむしろ予期不安に対する脳活動を減衰するという研究。被験者数も多く、脳活動もこれまでの先行研究と同様の部位が出ているのでこの結果の信頼性は高いと思う。神経質傾向がむしろ予期不安に伴う脳活動を減らすという点は重要。おそらく、ベースラインの時点から予期不安が生じているので、ベースラインと比較したときに予期不安の条件の脳活動が相対的に低く算出されるのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ツイート @freeroll_をフォロー