Treating Major Depression by Creating Positive Expectations for the Future: A Pilot Study for the Effectiveness of Future-Directed Therapy 2011 CNS Neuroscience&Therapeutics
本研究ではFDTという外来のうつ病患者を治療するための新しい治療法の効果を検証した。この研究ではうつ症状と不安症状、QOLを測定した。この研究では未来に対するよりポジティブな持てるように援助するマニュアル化された治療を検証した。この治療では1セッション90分、全10セッションで構成されている。比較となるTAU群として伝統的な認知行動療法の集団療法を設定した。16人がFDTに参加し、17人がTAUに参加した。FDTによる治療により、うつ症状、不安症状、QOLの改善がみられた。TAUと比較して有意なうつ症状の改善がみられた。FDTは新たなうつ病治療の選択肢となる可能性を持つと考えられる。
従来のCBTより症状改善に効果があったということだが、誤差の範囲ではとも思う。しかし、Well-beingに焦点を当て、ネガティブな認知ではなく目標達成の妨げとなる認知を治療ターゲットとしているところに独自性がある。マズローの理論を教科書以外で初めて見た。これに限った話ではないが、うつ病の治療において何を効果の指標とするかは今後さらに重要な問題となると思う。症状評価やQOLだけでなく生物学的データの改善やその他再発予防、治療適応の予測因子を調べていく流れはさらに進むだろうと予測される。自分の立場からは、各従属変数をそれぞれ個別に測定するのではなく心理学や医学、神経科学の研究が統合した形で大規模な臨床研究を行えると良いと思う。
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