Contingency learning in human fear conditioning involves the ventral striatum 2009 Human Brain Mapping
恐怖刺激とその予期手がかりの間の随伴性の検出と学習をする能力は環境に対処するための重要な機能である。随伴性の知覚は条件刺激と無条件刺激の関連性を言語化する能力と関連する。条件反応としての恐怖の随伴性の知覚の影響は議論が白熱しているが、人間の恐怖学習において随伴性の知覚の過程の形式の背後にある神経相関に対する注意はわずかにしか払われていない。近年の動物研究は腹側線条体がコの過程に関与していること示しているが、ヒトの研究において腹側線条体はポジティブ感情との関連を示すのものがほとんどである。この問題を検証するために、我々は4つの古典的恐怖条件付けの研究を随伴性知覚の3つのレベル(随伴性の知覚が無い被験者、随伴性の知覚がある被験者、教示によって随伴性の知覚を事前に得た被験者)で腹側線条体を再解析した(N=117)。結果から腹側線条体は随伴性の知覚があった被験者でより活動していたことが示された。興味深いことに教示で随伴性の知覚を得た被験者ではコの活動はみられなかった。我々は腹側線条体が随伴性の知覚を条件付けづけの時に得たか条件付けの前に得たかかということにかかわらないと予想する。腹側線条体は随伴性の知覚無しから随伴性の知覚ありへ移行する時に重要であるように考えられる。
若干古い論文だがなかなか面白い。随伴性の知覚はうつ病でも言われることだが、結果が報酬か罰かは関係なく腹側線条体は重要なようだ。
2012年10月18日木曜日
2012年10月16日火曜日
曝露療法は恐怖プロセスの神経活動の長期的な再体制化を引き起こす
Exposure therapy triggers lasting reorganization of neural fear processing 2012 PNAS
1セッションの曝露療法は、脅威となる事象に対する強固で不自由な恐怖を消去できる。我々はこの驚くべき成果の神経メカニズムを2時間の治療の結果変化した脳活動を測定することで検討した。治療の前に、脅威画像は扁桃体、島、前帯状回の活動を引き起こした。治療は、これらの恐怖感受性ネットワークの反応を減衰し、随伴して前頭前野領域の活動を高めた。6カ月後、恐怖ネットワークの活動の減衰は持続したが前頭前野の活動はみられなかった。加えて、視覚野の活動の程度の個人差は6カ月後の治療結果を予測した。この時の視覚野の活動は脅威画像に対する反応の減衰と相関していた。治療の成功は、当初の恐怖刺激に対する神経活動の再体制化の持続を伴っている。この効果は動物モデルにおいて同定されている恐怖-消去メカニズムとリンクしており、不安障害の治療と予防の新たな展開を導くものである。
非常にチャレンジングな研究である。脳は環境と生体の相互作用のインターフェースとなる基盤である。恐怖や消去のメカニズムは、動物モデルや人体における神経メカニズムの解明によって、将来治療法の開発が大きく進むと考える。つまり、恐怖の消去は脳の機能を変えることであり、その脳の機能を変えるための非侵襲的治療として従来の曝露療法以上の技術がでてくるだろう。技術としてNeurofeedbackが使えるかもしれないし、Schiller et al 2010のような恐怖記憶の再固定化を妨害する方法が臨床応用できるようになるかもしれない。本当にそうなれば良いのだけれど。
1セッションの曝露療法は、脅威となる事象に対する強固で不自由な恐怖を消去できる。我々はこの驚くべき成果の神経メカニズムを2時間の治療の結果変化した脳活動を測定することで検討した。治療の前に、脅威画像は扁桃体、島、前帯状回の活動を引き起こした。治療は、これらの恐怖感受性ネットワークの反応を減衰し、随伴して前頭前野領域の活動を高めた。6カ月後、恐怖ネットワークの活動の減衰は持続したが前頭前野の活動はみられなかった。加えて、視覚野の活動の程度の個人差は6カ月後の治療結果を予測した。この時の視覚野の活動は脅威画像に対する反応の減衰と相関していた。治療の成功は、当初の恐怖刺激に対する神経活動の再体制化の持続を伴っている。この効果は動物モデルにおいて同定されている恐怖-消去メカニズムとリンクしており、不安障害の治療と予防の新たな展開を導くものである。
非常にチャレンジングな研究である。脳は環境と生体の相互作用のインターフェースとなる基盤である。恐怖や消去のメカニズムは、動物モデルや人体における神経メカニズムの解明によって、将来治療法の開発が大きく進むと考える。つまり、恐怖の消去は脳の機能を変えることであり、その脳の機能を変えるための非侵襲的治療として従来の曝露療法以上の技術がでてくるだろう。技術としてNeurofeedbackが使えるかもしれないし、Schiller et al 2010のような恐怖記憶の再固定化を妨害する方法が臨床応用できるようになるかもしれない。本当にそうなれば良いのだけれど。
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