2019年10月14日月曜日

注意バイアス修正訓練のRCTにおけるベースラインのバイアスのメタ分析:臨床的な不安とPTSDにおける脅威に対するドットプローブバイアスの無証明

Kruijt, A. W., Parsons, S., & Fox, E. (2019). A meta-analysis of bias at baseline in RCTs of attention bias modification: no evidence for dot-probe bias towards threat in clinical anxiety and PTSD. Journal of abnormal psychology, 128(6), 563.


背景:脅威に向けられる注意の減少を通した治療効果を理論的基盤に置く不安症の治療のためのABMの開発には、膨大なコストがかけられている。しかし、臨床的不安症が脅威に関連づけられたバイアスによって特徴づけられるというメタ分析によるエビデンスは薄い。337名の不安症者のドットプローブ課題のデータはこれまで最大のメタ分析に含められている。しかしABMのRCTのベースラインで得られた注意バイアスのデータはこれまでメタ分析されていない
方法:13個のABMのRCT研究に参加した不安症患者1005名のベースラインの脅威と関連したドットプローブ課題の指標をメタ分析に投入した。
結果:ランダム効果メタ分析は平均バイアスがゼロとは異なるという証拠を示さなかった。追加のベイズファクター分析もまたバイアスがゼロであるという仮説を支持した。一方、インターバルに基づいた分析は臨床的不安症の平均バイアスは0msから5msであることが示された。
考察:本研究の知見は、サンプル数の多さと発行バイアスの回避という点で強みがあり、コントロールとの比較がなく、データの再利用であること、ドットプローブ課題のデータのみを用いているという点で弱いこと、理論的及び臨床的文脈で議論された。我々は、もはや臨床的不安症の人々が脅威に対する選択的注意によって特徴付けられるとは言えないと提議する。
結論:ABMのRCTに参加した不安症の人々は、ベースラインにおいて脅威に関連した注意バイアスによって特徴付けることはできない。


感想:インターバルベースの分析とは、不安者の注意バイアスがどれくらいありそうかをms単位で分析し、バイアスが0-5msが最も信頼できるバイアスの程度であることを示している。実体験と符合するメタ分析の結果である。少なくとも自分が行った不安のアナログ研究では、注意バイアスの測定によってバイアスが示されたことはほぼ無い。これは課題のパラメータや教示、分析のレベルの問題では無いと思っている。自分の研究では少なくとも不安に関しては注意バイアスを扱う研究には慎重になろうと思う。

2019年9月21日土曜日

拡張された自己:対象を自分のものとすることによる内側前頭前野の自発的活動

Extended self: spontaneous activation of medial prefrontal cortex by objects that are 'mine'.
Kim, K., & Johnson, M. K. (2013). Extended self: spontaneous activation of medial prefrontal cortex by objects that are ‘mine’. Social cognitive and affective neuroscience, 9(7), 1006-1012.

閣僚された自己の概念は、自分ではないものを自分のものとして取り入れることと関連している。拡張された自己を支持する神経基盤はfMRIによって人々が事物を自分のものと帰属する想像をしている際に内側前頭前野の活動上昇が見られることから示されている。本研究では、自己と関連づけられた事物が、顕在的には自己関連性判断を求められていない場合でも内側前頭前野の活動を伴うかを検討することである。fMRIスキャンにおいて被験者は以前に自己に帰属した事物とそうでない事物を刺激として混在させたオッドボール課題に従事した。自身のものであると想像できた事物に対しては、そうでない事物よりも内側前頭前野と後部帯状回皮質の活動上昇が見られた。さらに、所有官の操作の後に行われた事物に対する選好の変化は、内側前頭前野の活動によって予測された。全体的にこれらの知見は自己に関連づけられた外的刺激を自分のものとして取り入れるという拡張された自己の概念の神経活動による証左を与えた。

感想:大学院生の時によく読んでいた論文の著者が書いた論文。大学院以来、自己関連処理からは距離を置いていたので、このような研究があることを知らなかった。この研究もcue-approach trainingと同様に腹側の内側前頭前野が活動している。腹内側前頭前野が事象に対する価値のエンコーディングに関与することは知られているが、逆に腹内側前頭前野を駆動することで事象に価値を加えることができると考えられる。この研究テーマはcue-approach trainingとともにフォローしていきたい。

2019年3月14日木曜日

webブラウザ上での心理実験の試行

psychopyの最新バージョンでは、pavloviaというサイトと連携して、psychopyで作成した課題をアップロードしてwebブラウザ上での刺激提示と反応取得が可能である。実際にはもうひとつ前のバージョンからできていたが、よくわからないエラーが出てまともに動作する課題はわずかだった。
ともかく、いくつか試行してわかったことを箇条書きで残しておこう。
・IEではpavlovia自体にアクセスできないようだ。chromeでは問題なくアクセスできるし、刺激提示と反応取得には特に異常なし。当然、PCのディスプレイ設定によってアスペクト比は変動する。
・psychopyの現行バージョンではテキストの文字サイズの仕様に変更があったようで、日本語テキストは大きく表示される。これはpavlovia上でも同じ。文字サイズの調整が必用。
・Builderで作成した画像刺激とキーボードまたはマウスの反応取得を同期した課題は割とシンプルにpavloviaで動作する。
・同じく、Builderで作成し、刺激や変数などのリストの情報取得を行う課題も、pavlovia上で問題なく動作する。
・BuilderのCodeコンポーネントはpavlovia上ではまず機能しない。pavlovia上ではpythonコードをjsonコードに置き換えて実行しているが、Codeコンポーネントに記述したコードはjsonコードに反映されていないかうまく置き換えられていないようである。このため、PsyhopyのCodeコンポーネントに記述した内容(if文や内部での計算など)はjsonで新たに書き加える必要がある。jsonに置き換えられれば問題なく動作するが、pythonに慣れていると文法の違いが面倒になる。
・Builderのratingコンポーネントとsliderコンポーネントは、正常に動作しない。おそらく、十分検討していないがratingコンポーネントは使えないだろう。sliderコンポーネントはpavlovia上では表示が若干おかしくなる(簡素化される?)が、工夫すればデータの取得は可能。アンケート実施は可能であろう。ただ、それよりもpolygonコンポーネントとmouseコンポーネントを連動させる方がpavlovia上では機能的に思える。ただし、なぜかpolygonコンポーネントは多角形の表示は設定どおりに表示されない。
・Builderでデータをexcelで吐き出す設定をしてもpavlovia上でのデータはCSVしか吐き出されない。些細なことだが。

現段階では以上のことが分かったが、PsychopyのForumでは問題が数多く報告されるとともに開発者がアップデートを検討しているため、どんどん使い勝手が良くなるだろう。比較的小規模のオンライン実験ならPavloviaを使えばコストが非常に少ない。来年度はSonasystemと連携させながらPavloviaで心理実験ができるようにするつもりである。

2018年2月8日木曜日

pythonによるモンドリアン図形の作成

実験に使用する図形としてモンドリアン図形が必要になったため、少し探したところhttps://github.com/AnoAn/Mondrian-generatorにてpythonで作成するスクリプトを見つけた。psychopyをimportする必要がある。

2017年6月30日金曜日

心理学において説明よりも予測を選択すること

Yarkoni, T., & Westfall, J. (2016). Choosing prediction over explanation in psychology: Lessons from machine learning. Perspectives on Psychological Science

心理学は、歴史的に行動の原因となるメカニズムの説明に徹頭徹尾関心を持ってきた。無作為課され、非常に統制化された実験は心理学研究の黄金基準として大切にされ、種々の行動の種々の媒介・調整変数の終わりなき検討がなされている。我々は、心理学のほとんどは行動の原因を説明することに焦点を当てる複雑な心理学的メカニズムの理論を提供する研究プログラムが多くを占めているが、著しい正確性を持って将来の行動を予測することがほとんどできない。我々は、機械学習の領域から心理学をより予測科学に為らしめる原理と技術を提案する。主要な心理学の予測的研究課題に焦点を当てたいくつかの基盤となる概念と機械学習のツール、例をレビューする。説明よりも予測により焦点を当てることで行動をより理解することが究極的には可能であると提案する。

心理学に対するここ数年のモヤモヤが割と解消した感じ。というか、自分の志向性的が説明より、予測あるいは操作にあるということが明確になった。

2017年3月24日金曜日

DCMを用いた感情ラベリングの理解の進展

 (2013). Advancing understanding of affect labeling with dynamic causal modeling. NeuroImage, 82, 481-488.

偶発的な感情制御のフォームのメカニズム的理解は感情科学における基礎的応用的研究への示唆を与える。本研究では、fMRIのDCMを表情ラベリングパラダイムに用いて前頭前野から皮質下への影響を検討した。感情ラベリングにはvlPFC、amygdala、ブローカ領域を含む4つの領域を用いた。64個のモデルを45人の健常者を対象に検討した。32個のベイズモデルでは強固な内在的なネットワークの結合性がしめされた。ラベリングの調整効果は、ブローカ領域からamygdalaまたはそれよりも強いvlPFCからamygdalaへの抑制効果を示すベイズモデル平均において強固に観察された。これらの結果は、これまでに相関関係で示されていた皮質ー皮質下領域の負のカップリングを頑健かつ拡張する知見である。

感情ラベリングのメカニズムを考えるうえで非常に重要な知見。実際に自分でもやるべきだと思っているが、なかなか進まないのが残念。

2017年3月23日木曜日

知覚された道徳への脅威が引き出す汚染関連強迫行為の傾向

Threats to moral self-perceptions trigger obsessive compulsive contamination-related behavioral tendencies
Doron, G., Sar-El, D., & Mikulincer, M. (2012).  Journal of behavior therapy and experimental psychiatry, 43(3), 884-890.

汚染恐怖に関連した強迫は日常生活を著しく害する。本研究では知覚された道徳に対する脅威が、汚染関連強迫行為の傾向を生起させるかを検討した。
3つの実験により、道徳関連プライミングが汚染関連行動に及ぼす影響を検討した。
自己の道徳における不適格は、強迫行為の傾向上昇を導いた。この影響は、自己に関連したネガティブな情報に限定された。この知見は、事前の自尊心やストレス、不安、抑うつおよび気分の変動性とは関連しなかった。
本研究は非臨床サンプルに対して行われた点で限界がある。
道徳的な過敏性は、汚染と関連した恐れと因果関係があるだろう。この過敏性に対する治療は、強迫性障害の治療にも有用かもしれない。

この論文の研究者は数年前から愛着との関連も検討しながら、このテーマで研究をしている。実験手続きでは、被験者自身の道徳的態度が一般母集団と比較して低い(カバーストーリーだが)ことを正規分布でプライミングしている。
非常に興味深いが、いかにも実験社会心理学的研究でもある。

2017年2月15日水曜日

xbox360のコントローラーをPsychopy Builderで使用する

xbox360のコントローラーをPsychopy Builderで使用するには、ネットで調べてCode componentの埋め込みで十分動作することを覚えた。
正規品のコントローラーのみ動作したが、サードパーティ製のものはきちんと動作しなかった。無駄金を使ってしまった。

Codeコンポーネントに以下の記述をRoutineにいれることで左右のトリガーの動作確認したので、備忘録。

2017/2/24修正。

#Begin Experiment
try:
    from psychopy import visual, core
    from psychopy.iohub import launchHubServer, EventConstants
    from psychopy.data import getDateStr
    kwargs={'psychopy_monitor_name':'default','xinput.Gamepad':{}}
    io=launchHubServer(**kwargs)
    gamepad=io.devices.gamepad
except Exception, e:
    import sys
    print "!! Error starting ioHub: ",e," Exiting..."
    sys.exit(1)

#Begin Routine
response_event=None
LT=0
RT=0
trial_start=0
io.clearEvents()

#Every Frame
if frameN == 0:
    io.clearEvents('all')
    trial_start=core.getTime()

else :
    gp_triggers = gamepad.getTriggers()
    # psychopy time that the trigger values were actually read (in sec.msec)
    trig_time = gp_triggers['time']
    # values will be between 0.0 and 1.0. 0.0 = Not pressed at all; 1.0 = fully pressed.
    left_val, right_val = gp_triggers['left_trigger'], gp_triggers['right_trigger']
    if left_val > 0.5 and right_val > 0.5:
        # set some response vars like you were
        response = gp_triggers
        continueRoutine = False
        break      
    if left_val > 0.5:
        LT=1
        continueRoutine = False 
    elif right_val > 0.5:
        RT=1
        continueRoutine = False 

#End Routine
trials.addData("trial_start_time", trial_start)
trials.addData("LT", left_val)
trials.addData("RT", right_val)
trials.addData("react", trig_time)
ReactionTime=(trig_time) - (trial_start)
trials.addData("ReactionTime", ReactionTime)
#End Experiment
io.quit()

2016年4月12日火曜日

治療者の成り行き任せ(therapist drift)の復活:なぜ善意(?well-meaning)の臨床家は実証的な治療の遂行に失敗するのか、そしてどのように軌道修正するか

Waller, G., & Turner, H. (2016). Therapist drift redux: Why well-meaning clinicians fail to deliver evidence-based therapy, and how to get back on track. Behaviour research and therapy, 77, 129-137.

治療者の成り行き任せは、臨床家が必要なツールを持っているにもかかわらず望ましい実証的治療を遂行するのを失敗した時に生じる。そして、普段の臨床実践よりも有効性の低い治療の重要な要因である。このような現象に関する研究はこの5年の間に増加している。このレビューではこの治療者の成り行き任せに関する増加しているエビデンスについて検討する。実証的な心理療法の遂行に失敗する理由には、パーソナリティ、知識、感情、信念、行動、社会的環境があると考えられる。この治療者の成り行き任せにどのように対処するかのアイデアには、実証的な治療の回避を維持するような治療者の認知や感情、行動に対する認知行動的アプローチが含まれるだろう。



個人的には経験論的に知られていることやCBTの教科書に書かれているようなことなので情報としては新しくない。しかし、量的なレベルで明示されるのはレアである。この論文内でも紹介されていたが、治療者の不安は曝露療法の使用や遂行の妨げになることが明らかになっている。therapist driftは無理押ししてドロップアウトしてしまうことを防ぎたいという欲求による場合が多いと思うが、ドロップアウトの確率をどれだけ現実的かつ客観的に治療者が判断できているかは治療者の要因が大きいということだろう。

2016年3月2日水曜日

TobiiをOpensesameで使用するために必要なこと:備忘録

Psychopyと同様Pythonで作られた刺激提示用プログラムにOpensesameというものがある。Psychopyと比較すると使用者は少ないと思われるが、GUIベースでありPsychopyのBuilderとはかなり構造が異なるが簡単である。これだけではOpensesame使用する理由には足らないが、Tobiiのアイトラッカーを導入したためPsychopyかOpensesameと同期させる必要が生じた。
TobiiはE-primeやInquisitといった商用ソフトとの連携は保証されている。しかし、これらの商用ソフトでセットアップするのは非常に経済的なコストがかかる。Pythonの場合、PygazeというPythonでTobiiも含めたさまざまなアイトラッカーの制御を可能とするものがフリーで存在するため、これを活用すればコストは抑えられる。しかし、基本的に気が短いことと素人に近いため自分でPsychopyにPygazeを組み込むのが難しいことがわかった。一方でOpensesameにはWindows版にはもともとPygazeが組み込まれているため、連携は相対的に容易である。したがって、OpensesameによるTobiiとの同期を試みることにした。しかし、容易であるはずのPygazeとの連携は多少の困難があった。現状について書き記しておく。

前提条件
・Python2.7(32bit)がインストール
・Opensesame(32bit)のインストール
・Tobii SDKのインストール

基本的には上記のことができていればOpensesame上でのTobiiの使用は可能である。しかし、これができているつもりでもエラーが発生し前に進まない。Opensesameのコミュニティをみるとこの手の問題が繰り返し質問に挙げられている。これらのコミュニティを探した結果、以下のことが重要であることがわかった。
・Tobii SDKのPython binding
・Pygazeの一部のスクリプトの変更
・適切なフォルダの指定および場所

・Tobii SDKのPython bindingsについてはTobii SDKのマニュアル参照。pygtkをpythonにインストールする必要がある。また、これは確信がないがコマンドプロンプトからパスを設定することも重要のようだ(起動するたびに必要かもしれない)。
・Pygazeの一部のスクリプトの変更については、コミュニティにて作成者がコメントしており、そのとおりに変更すればよい
・適切なフォルダの指定および場所については、パスを引いたTobii SDKのモジュールをOpensesameで読み込むことが可能なフォルダである必要がある。

上記の事項をおこなった後に、アイトラッカーが接続されていることを確認したうえでOpensesameのPygazeでのテンプレートを使用した。
Opensesame上でのPygazeではアイトラッカーのセッティングから始まり、その後キャリブレーション、測定開始、ログの取得、測定中断、測定終了の設定を行うことができる。現状ではログとして残るものがどういうものかは完全に把握できていない。
基本的な機能は使えるようになったが、Pygazeのキャリブレーションではそもそも赤外線光が眼球に投影されているかをチェックしていないので事前に位置あわせを十分行っておくのが良い(追記:tobii studioでキャリブレーションチェックするのが良いが、非常に重いソフトウェアなので同時使用は難しい)。

当面の課題はクリアできたので、後は刺激の位置と対応させてログがどのように残るかを把握し、Pygazeの他の機能も知る必要がある。
(追記:視線座標のデータがどのようにログに残るのかをひたすら調べていたが、実際に測定されたデータはtsv形式で保存されることがわかった。これに左右眼球のxy座標がタイムスタンプとともに記録されている。ダミーで走らせても意味のあるログは残らない。)

2015年8月5日水曜日

論文抄読会は批判的評価スキルの教育に効果的か?

Fu, Cynthia HY, et al. "Is a journal club effective for teaching critical appraisal skills?." Academic Psychiatry 23.4 (1999): 205-209.

医学系ではEBMの知識・スキル向上のための教育と関連してこの手の論文が多いようだ。この論文では抄読会にはさほど参加者の能力向上には効果がないとのこと。別のシステマティックレビューではこの手の研究の方法や評価の一貫性の無さからまとまった結論を出せないとするものもあった。個人的には、抄読会のリーダーの知識やスキルが非常に重要ではないかと思う。

2015年7月22日水曜日

CARETの使い方

Using Caret for fMRI Visualization

://prefrontal.org/blog/2009/04/using-caret-for-fmri-visualization/

比較的昔からあるツールだが、このチュートリアルを読んで使えるようになった。外側の皮質の活動は綺麗で美しい脳機能画像の図を作れる。しかし、皮質下領域や内側皮質の活動はよほど大きなクラスターでないと上手く視覚化されないし、座標がずれて意味がないので注意。

2015年5月7日木曜日

PPI解析に関する有用なレビュー

O’Reilly, J. X., Woolrich, M. W., Behrens, T. E., Smith, S. M., & Johansen-Berg, H. (2012). Tools of the trade: psychophysiological interactions and functional connectivity. Social cognitive and affective neuroscience, 7(5), 604-609.

いろいろな意味で今更感はあるものの、resultsに単純なactivationだけでなく一味加えられるPPIは使い勝手が良い。そのPPIに関する非常にわかりやすいレビュー。

2015年2月27日金曜日

t-fMRIとr-fMRIのための結合性解析のtoolbox:Conn

Whitfield-Gabrieli, S., & Nieto-Castanon, A. (2012). Conn: a functional connectivity toolbox for correlated and anticorrelated brain networks. Brain connectivity, 2(3), 125-141.

いっぺんに色々とやってくれるので使い勝手が良かった。connectivity解析におけるnoiseを補正するので、検出力が高まるようだ。

2015年2月4日水曜日

感情的な脳を訓練する:感情ワーキングメモリー訓練を通した感情制御の改善


Schweizer, S., Grahn, J., Hampshire, A., Mobbs, D., & Dalgleish, T. (2013). Training the emotional brain: improving affective control through emotional working memory training. The Journal of Neuroscience, 33(12), 5301-5311.感情的認知の容量(感情を制御することや目標のために感情を操作すること)は職業および対人的成功と関連している。対照的に、感情コントロールの疲弊は多くの精神神経障害の特徴である。神経科学の観点からは、感情的認知制御はワーキングメモリーと同様の前頭-頭頂回路によるとされており、それは感情的文脈におけるワーキングメモリー訓練は感情コントロールを増強させる可能性を示している。そこで、我々は行動的指標とfMRI指標を用いて、20日間の新規の感情的ワーキングメモリー手続きの訓練が前頭-頭頂ネットワークの効率性を高めることを示した。重要なことにプラセボ訓練と比較して、感情的ワーキングメモリー訓練は感情制御のゴールドスタンダードの指標にも転移的な利益が見られた。これらの感情制御の利得は、膝下前帯状回を通して前頭−頭頂ネットワークの賦活と関連していた。これらの結果は臨床、予防、産業場面におけるワーキングメモリー訓練の適用において重要な示唆を与えている。

用いられている課題がポイントらしく、表情刺激と感情語を並行して提示しつつn-backと同一かを判断させる課題になっている。論文の中身は非常に複雑で必要なのか疑問を持つくらい情報量が多い。対照群が非常に簡単な課題なので、著者が主張するように感情的文脈に基づくワーキングメモリー訓練が感情制御に転移しやすいのかは疑問。この研究で用いられている訓練課題はネット上で販売しているが、それほど高くないのであぶく銭ができたら買ってみようか・・・

2015年1月23日金曜日

教員は厳格な学習に焦点を当てるべきか楽しい学習をすべきか:researchgateより

自分用のメモ。厳格さを前面に出すと同時に、少しは楽しい要素を入れるべきという意見が多数だった
Rigorous learning is essential in conveying information and knowledge to students. But in addition to that, it is better for teacher to focus also on learning with entertainment.

fMRIにおいて社会的相互作用の課題を被験者に信じさせるための手続きに関する議論:researchgateより

自分用のメモ。社会的相互作用の課題を被験者に信じてもらうための手続き。
これ以外にも、対象となる被験者の前の被験者が実験を受けている様子をそれとなく観察してもらうのも良いらしい
ただ、完璧な手続きはないと。

1. Give the participants detailed instructions about the task paradigm, including what they will see and how to respond, and also what the counterparts will see and how to respond. These information are to persuade participants that they are playing against real human beings.
2. When orally delivering these instructions, the experimenters are in a higher place than the participants (e.g. experimenter stands while participant sits down) . This is to implicitly enhance the authority of the experimenters, so that the participants are more cooperative and more willing to accept the information delivered by the experimenters.
3. Try to use some software, e.g. Z-Tree (http://www.ztree.uzh.ch/index.html), during practice. These software allow many players interact with each other simultaneously online. Some experimenters could interact with the participant during practice and appear in some place that the participant could see. This is to make the participants sure that they are playing against some real person.
4. Before the formal task, pretend to make a phone call to another experimenter who "is supervising the group of counterparts". You can say something such as "It's time to start, are you ready ...... what, someone is still peeing? pull him back, we can't let the participant wait for too long time.......Oh, the signals in this room is too bad...." Be sure that your participants have heard your information.
5. During the practice, you can add some fake off-line information (e.g. a sudden break and some warning information on the screen "can't access the server..."). Sometime, non-perfect procedure may make the participants believe that the things here are true.
6. After getting out of the scanner, give them a questionnaire about their feelings when interacting with counterparts. If someone says that he/she does not believe that there is a human counterpart in some other place, just reject his/her data.
7. If it is OK to you, try to recruit female participants only. They are much easier to be deceived than men.
8. Do not recruit participants major in psychology. They can see through these tricks easily.

    Hope these information are useful to you!

2014年11月1日土曜日

恐怖の復元への対抗;無条件刺激の提示の変化は文脈間で般化する

Countering Fear Renewal: Changes in the UCS Representation Generalize Across Contexts  2014 Behavior Therapy

不安障害の治療後において、恐怖はしばしば復活する。アナログ研究では、消去文脈の外では条件刺激は消去記憶よりも獲得記憶を活性させる。条件づけ理論は恐怖は、無条件刺激の主観的コストの減少の後に、CS-UCS連合の変化なしに低減すると仮定されている。我々は、恐怖の減少がUCS脱価値化を通し、文脈間に般化して生じると仮定した。健常学生に文脈AにおいてCSと100dbのホワイトノイズのUCSを提示した。一つのグループは条件づけの後にUCS暴露を行い、UCSの強度を減少させた。他のグループはUCSを同じ強度で提示させた。2つのグループはfiller課題を行った。全ての軍において文脈Bでの消去を行い、文脈Aでテストした。CSの提示中に、被験者はUCSの予期とコストを評定した。結果からは、消去文脈からテストに移行するとUCSの予期は増加した。対照的にUCSの脱価値化を行うと、UCSのコストの低減が文脈の変化にもかかわらず維持されていた。これらの結果はUCS脱価値化が恐怖の復元を減少させる可能性を示唆している


題名通りの内容かと言われるとそうでもない気がする。ただ、UCSが音でもいいことがまた確認できたのが自分にとっては価値がある研究。

2014年7月4日金曜日

健常成人における感情のラベルづけと認知的再評価の共通および異なる神経基盤

The common and distinct neural bases of affect labeling and reappraisal in healthy adults. 2014 Frontiers in Psychology

感情制御は意識的で意図的な感情の変化に対する試みとして一般的に特徴付けられている。例えば認知的再評価を通して特定の刺激や状況をより脅威的でないように再解釈することによって感情的反応を提言しようとする。しかし、感情制御の方略の中には意図的でなく偶発的な物があるというエビデンスが集まりつつあり、それは情動調整は明確なゴールではなく結果であることを意味している。たとえば、感情的ラベルづけは外的な刺激や自分の感情的反応に対して意図的な感情反応の変化を目的としない言語的なラベルづけをするだけであるが、それは感情的反応を減少させることが神経レベルでも実験レベルでも示されている。この意図的な感情制御方略と無意図的な感情制御方略が共に辺縁系と感情反応を提言するが直接これらの方略の神経メカニズムを比較した研究は乏しい。本研究では、我々は意図的な感情制御と無意図的な感情制御を検討し、事物の命名、感情のラベルづけ、認知的再評価が共通もしくは異なる神経反応や自己報告反応を嫌悪画像に対して示すかを単なる観察条件と比較して健常成人に現れるかを検討した。感情のラベルづけと認知的再評価は前頭のいくつかの制御に関わる領域の活動を共通してしめし、感情のラベルづけはこれらの領域においてはより強い活動さえ示した。扁桃体はどの方略でも共通して減少した。感情のラベルづけと認知的再評価は自己報告の現象と関連していた。これらの結果は感情のラベルづけと認知的再評価が共通の神経認知的メカニズムを持つことを指摘しており、意図的な感情制御と無意図的な感情制御が共通した神経プロセスを制御することを支持している


つい忘れてしまう。
感情のラベルづけと認知的再評価に神経基盤の差があまりないなら、認知的再評価はむしろ単なる感情のラベルづけの延長なのかもしれない。しかし、行動指標は認知的再評価の方が効果が大きい。試してみたいなあ。

2014年4月19日土曜日

疼痛の認識における心理的要因の影響

Impact of Psychological Factors in the Experience of Pain 2011 Physical Therapy

この論文では、基礎的な心理的過程がどのように身体治療の理論的モデルに取り入れられるかに焦点を当てて疼痛の持続と障害の発展における心理的要因についてレビューする。
そのために疼痛の経験と関連する重要な心理的要因を要約し、科学的知見において疼痛の有力なモデルの中にそれらがどのように統合されるかの外観を提示する。疼痛は持続的な問題と治療に影響する明確な感情的かつ行動的な結果である。しかし、心理適用要因は身体治療において日常的には査定されておらず、治療の促進とは十分に適用されていない。科学的なエビデンスのレビューに基づいて臨床実践に有用であろう10個の原則を提示する。心理学的家庭は疼痛の体験や治療予後に影響するので、心理的原則を身体治療に統合することは予後の向上に潜在的な価値を持つと思われる。

疼痛のCBTにおける御大であるLintonのレビューは非常に整理されていた。今年は疼痛の方ももう少し本気にならなければ。
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