2011年4月13日水曜日

精神病のハイリスク群における脳機能は脳構造の異常と直接関連する:縦断的VBM-fMRI研究

Altered brain function directly related to structural abnormalities in people at ultra high risk of psychosis: longitudinal VBM-fMRI study.
Fusar-Poli P, Broome MR, Woolley JB, Johns LC, Tabraham P, Bramon E, Valmaggia L, Williams SC, McGuire P.
J Psychiatr Res. 2011 Feb;45(2):190-8
精神疾患の前駆症状を呈する人々には脳構造と脳機能に異常が認められることがこれまで示唆されている。しかし、これらの異常の縦断的転帰やそれらがどのように臨床症状や機能と関連するかは明らかになっていない。
精神病のハイリスク群のコホートを対象に、最初と一年後にN-back課題を用いたfMRIによる検討を行い、構造データも測定した。精神症状と全般的機能をCAARMS,PANNS,GAFを用いて測定した。
ベースライン時ではハイリスク群は課題遂行中に中前頭回、縁上回、下頭頂葉の活動現状が見られた。また、中前頭回、内側前頭前野、島、前帯状回の灰白質体積の減少が見られた。Biological parametric mappingによる解析では中前頭回の活動と構造の変化に正の相関が見られた。知覚障害、思考障害はフォローアップでは改善し、全般的な精神症状も改善した。さらに機能も改善した。これらの改善は前帯状回と海馬傍回の活動の縦断的増加と関連していた。前帯状回の活動の変化はGAFと直接相関していた。
精神病の前駆症状を示す被験者においてはワーキングメモリー課題遂行時の前頭皮質の活動の減少は同領域の灰白質の体積減少と関連していた。前帯状回の活動の変化は機能的改善と相関しており、前帯状回における多様な認知過程や社会的過程の役割と一致している。

BPMを使ってシンプルに構造画像と機能画像の関連を見ている。中前頭回が症状の改善と結局関連していない点はがっかりさせられるが。BPMは用途が多様なので、使いたいと思う。

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