2012年8月3日金曜日

不安における適応的な脅威バイアス:扁桃体-背内側前頭前野の結合性と嫌悪の増強

The adaptive threat bias in anxiety: Amygdala-dorsomedial prefrontal cortex coupling and aversive amplification 2012 Neuroimage

機能的観点では、不安は嫌悪刺激に対するヴィジランスを増大し、危険を探知して回避する能力を向上させる。たとえば、我々が最近見出したように健常者において不安は嫌悪刺激の検出と防衛反応を誘発する。これは不安の適応的な機能であることはほぼ間違いないが、この情動特定的な効果の神経回路は明らかになっていない。本研究では、背内側前頭前野と帯状回はげっ歯類の前辺縁系と相同しており、これらの領域の働きが不安による適応的な脅威バイアスにおける返答たいの反応の増大と関連しているという仮説のエビデンスを示す。このために、我々は健常者において恐怖顔刺激と幸福顔刺激の同定中に電気ショックを与えることで新たな機能的結合性の解析を適用した。この効果は幸福顔刺激においてはみられない情動特異的な効果であり、恐怖顔刺激に対する行動反応の速さと並行しており、特性不安と正の相関があった。我々の最初の実験で示されたように、不安によって媒介され、情動特異的で、背内側前頭前野-扁桃体の嫌悪反応の増大するメカニズムが示された。これはげっ歯類の前辺縁系-扁桃体の回路と相同回路であり、特性不安との関連が示されていることから、不安障害の脆弱性の基盤であると考えられる。本研究は、適応的な不安の重要な神経メカニズムを指摘するものであり、非機能的な不安に潜在的なつながりを示すものである。

自分の研究ではネガティブ刺激の処理に背内側前頭前野と扁桃体の結合性が示されていた。背内側前頭前野と扁桃体のサーキットはネガティブな情動処理の亢進に関わると考えていたことは間違いではなかったようだ。

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