2011年7月4日月曜日

ヒトの扁桃体における固定し、分散した恐怖記憶の痕跡

A Stable Sparse Fear Memory Trace in Human Amygdala 2011 Journal of Neuroscience

古典的条件付けは種を超えて保持されており、嫌悪条件付けの強力なモデルである。げっ歯類においては恐怖記憶は扁桃体の影響化において保存され、再活性する。霊長類において同様のメカニズムがあるという証拠はなく、逆に霊長類では扁桃体は嫌悪条件付けの初期にだけ寄与し、その後のフェーズは扁桃体の外に移行すると考えられている。本研究では、この問題をfMRIと多変量解析を合わせて再検討する。個人レベルにおいて、基底外側部と中心核がCS+とCS-を弁別することが示された。この弁別の強さは時間を経て上昇し、恐怖の行動反応と対になっており、固定化した恐怖記憶の表出と一致していた。この結果は返答たいの基底外側部と中心核が学習の初期だけでなく恐怖記憶の保続にも関与することを示唆している。恐怖の分散した神経表出は多変量解析によって明らかにされ、ヒトを対象としたこれまでの研究でとらえにくかった記憶の痕跡を明らかにした。

被験者が7人しかいないが、8人もパニック発作を起こしたために脱落したらしい。ここでの多変量解析とはサポートベクターマシンのことだが、恐怖記憶のメカニズムの検討のために用いられるのはおそらく初めてと思われる。

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