2011年8月3日水曜日

情動をどのように制御するのか?再評価と気逸らしの神経ネットワーク

How to Regulate Emotion? Neural Networks for Reappraisal and Distraction 2011 Cerebral Cortex
情動の制御は社会環境における適応的行動に重要である。情動制御の達成には注意コントロール(気逸らし)から認知的変化(再評価)まで様々な方略が適用される。しかし、異なる制御方略を神経メカニズムと感情体験への影響という観点から比較したエビデンスは不十分である。そこで、我々は情動画像に対する再評価と気逸らしをfMRIで直接比較した。気逸らしにおいては被験者は計算課題を行い、再評価では情動的状況を再解釈した。どちらの方略も主観的な感情体験の減少と扁桃体の活動の減少がみられた。しかし、再評価と直接比較すると、気逸らしにおいては扁桃体の活動がより減少していた。一方で、どちらの方略においてもMPFC,DLPFC、下後頭皮質が関与しており、OFCは再評価のときに選択的に活動していた。対照的に、背側ACC,後頭葉の広範な領域が気逸らしに関与していた。扁桃体との機能的結合の違いは2つの情動制御方略に特異的な活動の役割を明らかにした。

Macrae et al (2010)を踏まえた研究となっている。特徴的なのは、情動を喚起する前に情動制御方略の教示をするべきではなく、情動を喚起した後に情動制御方略の教示をするべきとした点。確かに喚起される前だと情動が喚起される前に制御を行ってしまう可能性もあり、その後の脳活動が情動の生起と制御方略で行楽してしまう。

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