2011年9月26日月曜日

溝にはまるうつ病:うつ病とその治療の再考

Stuck in a rut: rethinking depression and its treatment 2011 Trends in neurosciences

現在の大うつ病性障害の定義は、臨床と研究のために信頼できる診断基準を作ろうという努力から生じたものである。しかし、多くの研究があるにもかかわらず、大うつ病性障害の神経生物学的病態はほとんど明らかになっておらず、50-70年前と比較して今日の治療が有効であるとは言えない。ここに我々は現在のうつ病の概念が誤った基礎研究と臨床研究によって導かれたものであると提議する。再定義においては中核症状にさらに焦点を当てることが必要であり、可能である。しかし、我々はうつ病が気分状態そのものよりもネガティブな気分状態から抜け出すことができなくなるとする方が良い定義であると結論付けた。我々は改められた定義が将来の臨床研究と基礎研究にもたらす示唆についても議論を行う。

自分の考えていることは他者も大体同じことを考えるということだった。ネガティブ情動そのものではなく、その制御に失敗することがうつ病の病態であるという考え方は、認知行動療法におけるうつ病のとらえ方に近い。ネガティブ気分の発生メカニズムではなく維持するメカニズムを明らかにし、そこにターゲットを当てた治療(手段はどうあれ)へという方向に向かうのだろう。

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