Towards a physiology-based measure of pain: Patterns of human brain activity distinguish painful from non-painful thermal stimulation. 2011 PLoS One
疼痛は観察できる損傷が存在しなくても生じる。その為、疼痛の評価方法のゴールドスタンダードは長きにわたって自己報告による物だった。言語的コミュニケーションが不可能なために疼痛の管理が妨げられることから、研究者は自己報告に頼らない疼痛のアセスメントツールの開発に力を注いできた。これまでの努力は、臨床的に妥当性のある言語報告に変わる物を開発することに成功していない。近年のfMRI研究とSVM学習は認知状態を性格に評価することに組み合わせられて用いられてきた。そこで、我々はSVMとFMRIデータから自己報告無しで疼痛の評価が可能であるという仮説を立てた。fMRI実験には24人の被験者が参加し、疼痛と非疼痛刺激が呈示された。8人の被験者を用いて疼痛を区別できる脳活動をSVMを用いて全脳で探索した。我々はこの学習モデルを残りの未学習の16人の被験者でテストした。全脳のSVMは81%の精度で疼痛を区別できた。SVMハイパープレーンからの距離を用いることで精度は84%に上昇し、15%の刺激は分類が困難であった。SVMの全体的なパフォーマンスは、一次感覚野、二次感覚野、島、一次運動野、帯状回などの疼痛の処理過程に関わる領域の活動に大きく影響されていた。ROI解析からは個人脳の局所脳活動よりも全脳の活動の方が正確に分類できることが示唆された。我々の報告はSVMとfMRIにより被験者からのコミュニケーション成しに疼痛の評価が可能であることを示した。
脳活動のデータがクラスターが小さいのであまり見栄えが良くないが、研究の目的や意義は非常に興味深い。痛みに限らず感情などの認知状態の分別にも当然機械学習を用いることができる。
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