Effective connectivity during processing of facial affect: Evidence for multiple parallel pathways. 2011 Journal of Neuroscience
顔表情の知覚には皮質領域のネットワークが関与する。我々はfMRIとDCMを用いて顔表情刺激の顕在的な分類における機能的結合を検討した。特に、我々は情動の分類における顔処理のネットワークにおける後部領域からVLPFCへの結合と、その中で扁桃体がこのネットワークにどのように媒介しているかを検討した。我々は顔表情の処理において下頭頂領域からVPFCへの結合性の上昇を見いだしたが、紡錘状回と扁桃体からVPFCへの求心性の結合性は見いだせなかった。さらに、下頭頂領域からVPFCへの結合性は怒り表情のみ認められた。また、ベイズモデルによる比較ではVPFCへの求心性の結合性は、扁桃体によって調節される間接的な影響とは異なり、顔表情によって直接的に調節されることが示唆された。我々の結果は、VPFCへの情動情報は複数の平行経路を介してもたらされ、扁桃体の活動は顕在的な感情処理の際には情報の移動を十分に説明しないことを示した。
顔認知課題はうつ病においてfMRIによる検討がよく行われているが、このようなDCMによるネットワーク解析は行われていない。この論文のDiscussionでは情動処理における扁桃体の役割が前頭領域まで及んでいないことを示唆している。顔認知課題で扁桃体の活動を出すには、閾値下認知にした方が良いし、役割としても妥当ということか。今後の展開がどうなるかわからないが。顕在的な顔表情認知においては前頭皮質の役割がかなり大きいのだろう。
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