2010年3月11日木曜日

パニック障害の病因に対する現代の学習理論の見解

Bouton, Mineka, Barlow A modern learning theory perspective on the etiology of panic disorder. 2001 Psychological Review 108, 4-32

パニック障害に関する学習理論的説明はこの20年間様々なものが提唱されてきた。古くは古典的条件付けから始まり、批判に曝されながらオペラント条件付けによる説明なども行われてきた。筆者はパニック障害における恐怖の手がかりが環境に由来する外在的な手がかりだけでなく、内的な身体感覚を手がかりとして生じる可能性を論じている。条件刺激とパニック発作との連合は多様であり、本来異なるものである不安とパニック発作は交互作用し、条件刺激の連鎖の結果パニック発作が起こる場合もある。また、手がかりに対する認知や生物学的基盤がパニック発作を生じさせる脆弱性に関わると考えられる。
この論文はパニック障害の学習理論による理解を大きく進める重要なレビューである。認知行動療法を行う上での大切なClinical implicationも含まれている。

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