2011年6月3日金曜日

うつ病における反芻の神経相関

Neural correlates of rumination in depression.2010 Cognitive, Affective, & Behavioral Neuroscience
自身に焦点を当てた繰り返される思考、すなわち反芻はうつ病の発症と維持を理解するために重要である。反芻はネガティブ気分を悪化させ、ネガティブ刺激に対する情動反応を増大し、ネガティブ記憶へのアクセスを促進する。本研究ではうつ病患者と健常者を対象に反芻の神経機構をfMRIを用いて検討した。我々は反芻、具体的な気ぞらし、抽象的な気ぞらしの相違を評価するための課題を14人のうつ病患者と14人の健常者に行った。うつ病患者はOFC、Subgenual ACC、DLPFCの活動亢進が反芻VS具体的な気ぞらしの比較でみられた。反芻VS抽象的な気ぞらしではAmygdala、Rostral ACC/MPFC、DLPFC,PCC,海馬傍回の活動がうつ病患者で亢進していた。これらの結果は反芻がうつ病における辺縁系、MPFC、DLPFCの機能亢進と関連することを示唆した。

考察ではDLPFCの活動に関して解釈が十分できないと書かれていた。おそらく反芻はうつ病患者では気ぞらしよりもワーキングメモリーを占有するので、DLPFCが活動するのかもしれない。単純にDLPFCが活動した方が気分が良くなるというわけではないようだ。

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