2011年6月10日金曜日

高磁場MRIを用いたうつ病の治療反応予測

Prognostic prediction of therapeutic response in depression using high-field MR imaging 2011 Neuroimage

大うつ病性障害の治療の著しい発展にも関わらず、患者がどのように治療反応を示すかという点にはかなりのばらつきがある。約70%の患者は標準的な抗うつ約治療によっていくらかの改善がみられるため、非治療抵抗性うつ病(NDD)とみなされるが、残りの30%の患者は治療に反応しないために治療抵抗性うつ病(RDD)とみなされる。現時点では、うつ病や治療予後を同定するために用いられるような客観的、神経学的マーカーは存在しない。そこで、我々はSVMを用いて治療前の神経解剖学的構造で診断と予後を検討した。61人のうつ病患者と42人の健常者の構造MRIを撮像した。患者は標準的な抗うつ薬治療を受けていた。臨床結果に基づいて、23人のRDDと23人のNDDに群分けした。灰白質に基づいた診断精度はRDDで67%、NDDで76%であった。白質に基づいた診断精度はRDDで59%、NDDで85%であった。灰白質でのSVMはRDDとNDDを70%の精度で弁別できた。対照的に、白質でのSVMは65%の精度で弁別した。これらの結果は灰白質と白質がうつ病の診断と予後を予測する潜在性を持ち、治療を行ううえでの生物学的マーカーの使用に向けた第一歩となるだろう。

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