2011年6月6日月曜日

言語流暢性課題に対する神経活動のパターンは統合失調症と双極性障害の診断の特異性を示す

Pattern of neural responses to verbal fluency shows diagnostic specificity for schizophrenia and bipolar disorder 2011 BMC Psychiatry, 11:18

遂行機能と言語処理の障害は統合失調症と双極性障害の特徴である。これらの疾患の機能的神経基盤は共通点と同様に特異性がある。統合失調症と双極性障害の神経活動の異なるパターンを決定することは診断のためのバイオマーカーを提供するだろう。104人の被験者が言語流調整課題遂行中にfMRIの測定を行った。被験者の内訳は、32人の寛解した統合失調症の患者、32人の躁病期の双極性障害の患者、40人の健常者であった。言語流調整課題に対する神経活動を各群で検討し、機械学習によって神経活動のパターンによる診断のポテンシャルを検討した。言語流調整課題遂行中に、両患者群はACC,DLPFC,Putamenの活動が健常者より増加し、Precuneus,PCCの活動が減少した。活動の程度は統合失調症患者が最も大きく、次いで双極性障害患者、健常者の順だった。神経活動のパターンは統合失調症患者を92%の精度で識別し、双極性障害は79%の精度で識別した。双極性障害の分類のミスは双極性障害の患者を健常者と分類するために生じた。要約すると、統合失調症患者と双極性障害の患者は両者ともに前頭前野、線条体、デフォルトモードネットワークの機能に変化がみられ、特に統合失調症患者において機能障害の程度が大きかった。言語流暢性課題に対する反応のパターンは高い精度で統合失調症と双極性障害の患者を診断した。言語処理に対するfMRIによるパターン認識は統合失調症の診断マーカーになりうるだろう。

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