2011年6月22日水曜日

パニック障害の進展における内受容的恐怖条件付けの役割

The role of 'interoceptive' fear conditioning in the development of panic disorder Behavior Therapy 2011
一般人口の20%以上は生涯に少なくとも一回のパニック発作を経験するが、パニック障害に発展するものは少数である。条件付けのメカニズムは、パニック障害になる人々のパニック障害の発展がトラウマ的なパニック発作に基づくと説明している。準備理論によると、ある種のCueは他のCueよりも条件付けされやすいことを示唆しており、パニック障害の場合は内的、身体的な危険のシグナルである。本研究の目的は、異なる内的、身体感覚をCSとして、35%CO2吸入をUCSとした文章による異なる条件付けパラダイムを用いて準備理論を検討することである。33人の健常者は“窒息(する状況を書いた文章)”“ニュートラル(でリラックスした状況を書いた文章)”“緊急(的状況を書いた文章)”3つの文章条件に配分された。学習期には2つの文章のうち1つの文章を聞いた後に35%のCO2(CS+)を吸入し、もう一方は部屋の空気を吸入した。学習期の後に文章のみを呈示するテストをおこなっところ、窒息の文章に振り分けられた被験者のみ主観的不安と喚起量の変化がみられた。この結果は内受容的条件付けと準備性理論と喚起量の役割から論じられる。

条件付けの設定に工夫と労力をかけている。窒息の文章のCSとしての獲得のされやすさには窒息がパニック発作と類似していることが関係しているということらしい。文章に対する評価や認知が介在しないということなのでCSの質の違いによる脳の反応を同じ条件付けパラダイムで測定できれば、無意識化の条件付けのメカニズムの脳内システムを明らかにできる可能性がある。

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