Overlapping Neural Substrates Between Intentional and Incidental Down-Regulation of Negative Emotions. 2012 Emotion.
感情制御は様々な経路で行われるが、異なる操作における神経認知基盤の重複を検討した研究は少ない。本研究では、意図的制御を行う課題と偶発的制御を粉う課題の2つの独立した課題を10人の被験者の扁桃体と前頭前野の活動を測定するために課して、これらの課題の波形にある神経基盤の潜在的な重複を同定することを目的にfMRIを行った。解析は扁桃体と下前頭回を関心領域として行った。両課題において扁桃体の活動は感情制御に伴って低下した。意図的制御においては扁桃体の活動低下は情動評価の低下を伴っており、偶発的制御の際には扁桃体の活動減少は自己報告の攻撃性と相関していた。重要なことは、被験者間において意図的制御における扁桃体の活動減少の程度が、偶発的制御における減少の程度と相関していたことであり、各課題は異なる日に行われたので、各課題における扁桃体の活動の指標も独立して抽出されたことである。さらに、下前頭回と扁桃体の結合性は、課題間において重複していた。結果からは、2つの課題は前頭前野の重複した関与を導き、扁桃体の共通した活動減少を、方略にかかわらず生じることを示した。意図的情動制御と偶発的情動制御は現象的には異なるものであるにもかかわらず、共通した神経認知的経路を喚起させると考えられる。
10人しか被験者がいないのに論文になるとは驚きである。おそらくこの2つの研究に両方参加した被験者が少なかったからではないだろうか?情動刺激のラべリング際に偶発的感情制御を行っていると言い切るところがすごい。
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