2012年1月23日月曜日

累積した苦痛と内側前頭前野、前帯状回、島の灰白質体積の減少

Cumulative Adversity and Smaller Gray Matter Volume in Medial Prefrontal, Anterior Cingulate, and Insula Regions 2012 Biological Psychiatry

苦痛とストレスの累積は精神疾患のリスクと関連する。基礎研究では前頭皮質と辺縁系に対する累積ストレスの影響は示されているが、ヒトを対照にした脳形態に関する研究は少ない。そこで、我々は苦痛の累積が情動の制御や自己制御、トップダウンプロセスに関わる脳領域の灰白質体積にどのような関連を持つか検討した。103人の18−48歳の被験者を対照に、苦痛の累積についての面接評価と構造MRIを行った。全脳のVBM解析を年齢、性別を調整して行った。苦痛の累積は内側前頭前野、島、前帯状回の体積減少と相関した。最近のストレスイベントは内側前頭前野と島の体積減少と関連していた。トラウマの経験は内側前頭前野、前帯状回の体積減少と関連していた。主観的な慢性ストレスとライフイベントの相互作用は眼窩前皮質と島、前帯状回の体積減少と関連していた。本研究の結果は苦痛となるライフイベントへの曝露経験の累積はストレス情動制御、衝動コントロールに関わる前頭皮質や辺縁系の体積減少と関連してた。これらの結果はうつ病や依存、その他のストレス関連性疾患への脆弱性を媒介する者と考えられる。

ストレスが直接脳体積の減少に関わるようだが、これを縦断的に調査すれば精神疾患への影響も調べられるだろう。

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