2012年1月6日金曜日

うつ病と不安障害における情動語の符号化と再認に関するfMRI研究

Functional magnetic resonance imaging correlates of emotional word encoding and recognition in depression and anxiety disorders 2011 Biological Psychiatry

うつ病、パニック障害、社交不安障害は成人において頻発する精神疾患であり、情動情報の処理に共通した異常があるという点で特徴的である。我々は情動語の符号と再認課題遂行中にうつ病患者51名、うつ病と不安障害の合併59名、不安障害のみの56名、健常者49名にFMRIを行った。さらに、症状の重症度と脳体積、抗うつ薬との関連も検討した。患者群は共通して右海馬の活動減少がポジティブ語の符号化中にみられた。ネガティブ語の符号時には島の活動増加がうつ病を有する群にみられ、扁桃体と前帯状回の活動増加がポジティブ語の符号においてうつ病患者のみにみられた。再認においては不安障害の患者は下前頭前野の活動増加がみられた。全体的には、薬物療法や脳体積はこれらの結果に影響しなかった。ポジティブ語の符号における海馬の障害はうつ病と不安障害に特有の共通した脆弱因子と考えられる。ネガティブ語の符号における島と扁桃体はうつ病におけるネガティブ情動に対する感受性の増加と解放の困難さが基盤に有るとおもられる。我々の結果はうつ病と不安障害の共通した神経生物学的障害を強調するものであり、ポジティブな情報に対する全体的な感受性の低下として特徴づけられる。

Biological Parametric Mappingを用いて解析していた。サンプリングなどの方法も含めて結果とともに優れた研究だと思う。

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